60年代プリントのボレロとコート

電話回線を通じたインターネットができた時 最初にしたことは

アメリカからヴィンテージの服をインポートすることだった。

レオパードファーの襟がついたウールのダブルジャケットとワンピースのセットアップ、

細かなパールの飾りが全面についたニットワンピース、

レイヤードのブラックシルクワンピース。

オンラインの小さな古着屋をみつけてじっくり選ぶと、数ヶ月後船便で大きな箱が届き、

あけると外国の匂いがぷんとした。

その時に手にしたいくつかの服は、手放し難く今でもわたしのクローゼットにかかっている。


Etsyというヴィンテージとハンドメイドの商品を扱うサイトができたのはその後で、

当時米国に暮らす友人から聞いてすぐ夢中になった。

色を指定してアイテムを検索できる機能は当時は珍しく、

次々と流れてくるものを飽かず眺め続けた。

中でも60年代の独特なプリントに惹かれる中で行き着いたのが、

Jonathan Loganというデザイナーの名前だった。


1944年に始まったこのブランドは、

1960年代後半にはレディメイドの服を販売する会社としてアメリカで最大規模に。

50年代のウェストを絞ったニュールック、そして60年代は大胆ながら品のあるプリントと、

ジャクリーン・ケネディを彷彿するセットアップで人気を博す。

服がオーダーメイドからレディメイドへと移り変わる時代のブランドである。


print, 60s, johathan Logan とキーワードを絞り精度をあげて検索していく中で、

印象的なボレロと黒のワンピースのリネンのセットアップにたどり着いた。


ボレロには白地にブラウンで大柄のダマスク風の花柄が描かれ、黒のパイピングと小さなボウ。

ワンピースは黒無地だがハイウェストでタイトなシルエットが時代らしい。

値段は5、60ドルではなかったろうか。迷うまでもない。



セットアップで着るとクラシックすぎるので、丈の短いボレロはパンツに合わせて軽快に着るのが好きだ。

大胆な柄だが色使いはなじみやすく、これ一枚でスタイルが完成するのでとても頼りになった。

愛用する中、Etsyで再び同じプリントの、今度はノーカラーコートをみつけたのだ。

不思議はない。当時量産された服だったのだから。だが、その時の胸のときめきたるや。

お気に入りのプリントのヴィンテージを、型違いで持つことができるなんて。


わたしにとってインターネットは

本来足をクタクタにして、鼻の先を埃っぽくしながら巡る

ヴィンテージショップの宝探しを最大効率化できるツールなのだ。


そうして手にしたコートとボレロは長いことお気に入りで

展示会や人に会う時好んで引っ張り出している。



オーストラリアに来てからは青すぎる空の下

かしこまった気がして少し手が遠のいているが

いつもクローゼットの良い場所に掛かっている二枚である。

おばあさんになっても、パールと小さな帽子に合わせて着ていたい。

そんな服にはなかなか、人生で出会えない。



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